2021年の介護報酬改定では、高齢者の「自立支援」が大きく取り上げられ、
通所介護(デイサービス)などの各事業所においても、
推進すべき取り組みとして期待されている部分であります。
デイサービスでも「自立支援を目指しています」
「自立支援に特化しています」
といえば聞こえは良いですが、
- 何をもって自立支援なのか?
- 何が達成できればゴールなのか?
は、その方のバックグランド(環境要因や個人要因)なども影響し、
人によって様々というのが実際ではないでしょうか?
自立支援とは
そもそも介護保険法の中では、自立支援とはこのように定義されています。
- 自立とは:要介護者ができる限り自分の能力を活かして在宅生活を続けていくこと
- 自立支援とは:その生活を要介護者が行うことができるように支援すること
最近ではリハビリや運動に特化したデイサービスの数も増え、
自立支援に関する取り組みを積極的に掲げる所も増えてきた印象があります。
そして、場所によっては高齢者の働き口として一般企業と組みながら、
ボランティアやお仕事ととして依頼しているところもあるようです。
高齢者の身体機能は加齢などの影響により基本的には下降傾向にあるという前提のもと、
それらをいかにゆるやかに、かつご自身でできることの活動を継続していくかが重要にもなってくるケースがあります。
特にデイサービスでは、利用する方々は要介護(要支援)状態で身体機能になんらかの不便さなどを持っているケースがほとんどです。
デイサービスアルモとしても、何をもって自立支援なのかは頭を悩ませており、正解の見えないゴールに向かって、日々もがきながら突き進んでいるのが実際です。
開設当初から弊社では「歩けるようになること」を目標(ゴール)とはしていません。
歩けるようになったその先に、その方の生活がどう変わるのか?
ここを達成することが、私自身現時点でのアルモが目指す自立支援の形だと思っています。
その思いで10ヶ月程度運営・実践をしてきたデイサービスアルモですが、ようやく少しずつ形になってきたこともあります。
自立支援に繋がった一症例
デイサービスオープン当初からご利用頂いてる利用者様の目標は、
釣りに行くこと!
その目標に向けて、週1回のデイサービスでの運動を非常に頑張っておられました。
しかし、釣りに行くには多くの課題のクリアが必要になってきます。
その一つが、船上の移動です。
海の上での船なので、もちろん安定した環境ではなく、常にバランス能力が要求され、また場合によっては大股での跨ぎ動作や狭い場所の移動もでてきます。
平坦な道を歩行できる能力だけでは解決しないこともあるし、常に転倒といったリスクも伴います。
その中で一度は諦めた釣りへの挑戦でしたが、スタッフみんなでその目標を叶えるために何ができるかを試行錯誤しました。
あげればキリがないのですが、身体機能が数ヶ月で劇的に変化するケースは少ないし、
年齢的にも残存する能力でそこをどうカバーしていくべきかを考慮する必要があります。
だからこそ、そこに理学療法士といった専門職としての知識や経験が発揮され、
いろいろな準備や実践の結果、ご利用者様の夢であった
「もう一度釣りに行くこと」
をスタッフみんなの力で達成することができました。
まさにアルモが目指した自立支援の形がここにあると思える瞬間でした。
その他のご利用者様の中にも、
- 数年ぶりに仲の良い友達と温泉旅行にいけた
- デイ利用者同士でランチに行くようになった
- 歩くのが楽になり、散歩が日課になってきた
と嬉しい報告をたくさん頂くことができました。
元気になり、笑顔が増える利用者様の姿をみることが、自分達がデイサービスを通してやりたかったこと!
今後もデイサービスアルモとして目指す自立支援の形として、
それぞれの利用者様がデイサービスに来る(運動することの)意味や目的をしっかり見据え、
その方々の目標達成ができるように、
今後もより良いサービス作りを目指していきたいと思います。
一緒に理想のデイサービス作りをしたい方大歓迎!